活況なREITとNISAの関係、そしてGPIFの運用方針について

少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)では、国内株式や投資信託などに投資できるということになっていますが、その中にはETFやREITも含まれます。REITとは「不動産投資信託」のことで、不動産投資をおこなうための法人を意味しています。

J-REIT(日本版不動産投資信託)は数年前に脚光を浴びたのですが、そのあとは上げたり下げたりを繰り返しながら推移しています。不動産という性質上、仕手株のような乱高下はしないようなイメージですが、最近またじょじょに値を上げてきているようです。

東証REIT指数は今年4月以降、ほぼ一貫して上昇し足元で高値圏にある。背景として「まず、三大都市圏を中心に地価が上昇するなど、不動産市況への先行き期待が出てきた」と説明。REITを組み入れる投資信託などが増えていることもあり「金融商品としてのREITの特性への理解が深まっている」とも語った。
出典 : 岩沙証券化協会長、REIT活況「GPIFの投資開始が大きい」

REITには「資産の75%以上を不動産で運用しなければいけない」「利益の90%以上を投資家に配当しなければいけない」などのルールが課せられており、不動産という資産の性質と、分散投資がなされているということから比較的ゆるやかなトレンドが継続するとされています。

いわゆる「ミドルリスク・ミドルリターン」の金融商品です。実際に東証REIT指数を見てみると、設定以来、2007年5月末ごろまで一貫して上昇して、その後2008年10月末ごろまで一直線に下落、その後は横ばいから2013年3月ごろにかけて上昇というかたちです。

東証REIT指数のチャート
出典 : 東証:株価指数ヒストリカルグラフ

直近数年間では、2013年3月に1,700.91ポイントを付けて、その後いったん下落、そして2014年6月に1617.07ポイントまで戻し、その後はややそれより引く水準で推移という状態です。

ゆるやかな値動きとはいっても、下落するときのスピードが上昇スピードにくらべて早いというのは他の金融商品と同じようです。しかしその高く安定した配当は非常に魅力的であり、値動きも読みやすいので、たしかにNISA向きといえばNISA向きなのかもしれません。

上記のニュース記事では、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、4月から株式投資のひとつの手段として、REITへの投資をはじめたことが大きいという不動産証券化協会長の発言を紹介しています。

GPIFについては、最近では1年間で10兆円の利益をあげたという記事もでていて、少し耳にする機会が増えてきた名称なのではないでしょうか。

公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は4日、2013年度の運用成績を発表した。運用益は10兆2207億円と、12年度(11兆2222億円)から減少したものの、2年連続で10兆円を超えた。円安に加え、世界的な株式相場の上昇で国内外の株式評価額の増加が寄与した。
出典 : GPIF、運用益10兆2207億円 13年度

GPIFは上記ニュース記事のとおり、厚生年金と国民年金の積立金を運用する独立行政法人です。たまに信じられない金額の損失をだしてバッシングされることがあったり、今回のように巨額の利益をあげて褒められたり、なにかと騒がしい存在として認識されていると思います。

しかしその実態は、国内株式・外国株式・国内債券・外国債券などに幅広く分散投資し、またその投資比率は、統計データにもとづいてリスクとリターンをあらかじめ想定しておこなうという「現代ポートフォリオ理論」を基礎として決定されています。

つまり、市場の良し悪しによってある程度の損失がでるときもあるけれど、そのリスクはだいたい把握しており、きちんと必要な利益水準を理解して、それを目指して運用しているということです。

ですので、テレビや新聞で損失や利益の額だけセンセーショナルに報道されたとしても、いちいち目の色を変えずに、長期投資をきちんとした根拠にもとづいておこなっているかどうかという部分を監視していくことが大事です。

今年秋にはGPIFは運用方針を見直し、より株式偏重の配分に変えるという話がありますが、その際の投資配分と、そこから想定されるリスクと期待リターンについては、しっかり確認しておくべきでしょう。

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