金融庁のデータに見るNISA口座の問題点と課題

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以前、「2014年3月末のNISA口座数と増加率、そして現状の問題点」で日本証券業協会によるNISA口座数や利用状況に関するニュースを取りあげましたが、今回、おおもとの金融庁のほうから詳細な口座数などの発表がありましたので紹介します。

金融庁の発表によると、3月末時点のNISAの利用状況は、総口座数が650万3951で1月とくらべて37.0%増となり、個人投資家によるNISAを通じた投資額は1兆34億4608万円に達したとのこと。

1兆円というと大きなインパクトなのではないかと感じられますが、東証1部の時価総額は450兆円を超えています(2014年6月24日現在)。個人投資家全体で見ても影響力はそれほどではなく、ましてNISAを通じた投資額という点ではまだまだというところでしょう。

日本の株式市場とはいえ、やはり海外投資家のマネーの影響力は大変大きいものがあります。今回のニュースによると、NISA口座のなかで実際に投資がおこなわれているのは約25%にとどまるとのことですが、NISAを通じての投資がより活発におこなわれることを期待したいですね。

(前略)60歳代以上が59.8%と全体の約6割を占めた。50歳代は16.6%、40歳代は12.7%、30歳代は7.7%、20歳代は3.2%と、若年層になるにつれて開設数が少ないことを示す結果となった。投資額も60歳代以上が全体の64.9%を占めた。50歳代は16.1%、40歳代は10.6%、30歳代は6.5%、20歳代は2.0%だった。
出典 : NISA投資額、3月末で1兆34億円 口座数650万 金融庁

日証協のデータでは、60歳以上が全体の61%ということでしたが、金融庁の全体のデータもあまり変わらないようです。しかし、キレイに年代が下がるごとに投資額の割合も下がっているのを見ると、もっと若者に投資をうながすような仕組みを提供する必要があると思ってしまいますね。

もちろん、貯蓄が多いのは高齢者であり、そのマネーが株式市場に流れるのは良いことです。しかし、マーケット参加者全体に対する高齢者の割合が高くなると、それだけ短期的な視点での投資マネーが増えるということになります。

なぜなら、やや偏った見方かもしれませんが、高齢者はそこまで長期的な視点にたった投資をおこなわないと考えられるからです。平均寿命から考えて、若者とくらべて長期投資をおこなうインセンティブが働きにくく、毎月分配型投信の買付などに代表されるような、短期投資が増える傾向があると考えられるからです。

短期的な投資マネーがあること自体は問題ありません。もともと株式市場には、長期投資をおこなう投資家もいれば、短期的な投機をおこなう参加者もいます。

しかし、短期的な投機マネーの割合が増えると、市場での各企業の株価形成に歪みを生じさせる可能性も高まります。やはり、長期的な視点にもとづいた、若者による資産形成の場という性質が以前よりも増すように、金融庁には各施策をとっていってもらいたいと思います。

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