NISA拡充の動きと9月末の配当金受け取りの注意点

2014年もなかばを過ぎ、NISAの今後の運用について金融庁の動きが明確化したり、証券会社のキャンペーンが活発化したりしてきました。親や祖父母が子や孫の名義で年間80万円まで投資可能な「子ども版NISA」の創設や、現在100万円の非課税枠を120万円に拡大するといった動きは投資家として歓迎です。

これらの案は2015年度の税制改正要望に盛り込まれるとのことで、いっそうNISAを利用した投資の裾野拡大がなされることが期待できます。

家族が子供名義の口座で年間80万円までの投資を可能にする「子供版」NISA制度の創設や、従来の一般向けNISAの年間非課税枠を現行の100万円から120万円に拡大することを、金融庁の来年度税制改正要望や予算要求に盛り込むという。関係者によると、財務相は年末までに結論を出す。
出典 : 「子供版」NISAを創設、一般向け非課税枠も拡大-金融庁が要望へ

さて、9月にはいり、配当金の権利取りなどの季節になってきましたので、ひさしぶりにNISA利用時の配当金受取方法の注意点を振り返りたいと思います。

NISA口座で買っても非課税にならない配当金がある?

NISAでは株式と株式投信が対象であり、株式は売却益と配当金が最長5年間非課税になります。しかし、NISAを利用して売買すれば非課税になるというわかりやすい仕組みの売却益とはちがい、配当金の受け取りには注意が必要です。

NISAで株式を買っても、非課税にならない配当金があります。それは、「株式数比例配分方式」以外の方法で配当金を受け取った場合です。

株式数比例配分方式(以下「比例配分方式」)とは、株式を預けている証券会社の口座で配当金を受け取るというもの。受取方法にはほかに、「登録配当金受領口座方式」「配当金領収証方式」「個別銘柄指定方式」の3つがありますが、いずれの受取方法でもNISA口座で買った株式の配当金が非課税になりません。

株式取引をはじめてから特に手続きをしていない場合、初期設定として配当金領収証方式になっています。つまり、みずから手続きをして比例配分方式に変更しないと、配当金を非課税にすることはできないので注意が必要です。

受取方法の変更手続きの方法は証券会社によってちがいますが、電話もしくはインターネットでかんたんに手続きできるはずなので、利用している証券会社に問い合わせてみてください。

9月末を本決算もしくは中間決算の月としている、つまり配当金の確定月としている銘柄は多くあります。自分の保有する銘柄の決算月をしらべてもし該当する場合は、早めに変更手続きをおこなうようにしましょう。

NISA口座の株式だけ比例配分方式にしたい?

管理人はよく「NISAで買った株式だけ、配当金の受取方法を株式数比例配分方式にしたい」と相談を受けるのですが、それはできません。

理由としては、比例配分方式は一部の銘柄だけに適用することができず、自分が保有するすべての銘柄に適用されるという受取方法だからです。そのため非課税で受け取るには、NISA口座で買った株式も、特定口座で買った株式も、すべて一緒に比例配分方式で配当金を受け取る必要があります。

あくまで非課税になるのはNISA口座の株式のみで、特定口座の株式は受取方法が変更されるだけでいままでどおり課税されるわけなので、そこは混同しないように気をつけましょう。

ちなみに、複数の証券会社に株式を預けている場合でも、どこかひとつの証券会社で比例配分方式への変更をおこなえば、すべての証券会社で適用されます。反対にいえば、比例配分方式にする場合は、証券会社ごとにちがう受取方法にするということも不可能なので、その点にも注意が必要です。

2014年9月末の権利付き最終売買日

ちなみに、9月末の権利付き最終売買日は25日(木)です。25日に保有していれば配当金の権利がつきますので、25日に買って、26日に売っても大丈夫です。

ただし、26日の「権利落ち日」には、理論的には配当金分の株価下落があります。9月末の配当金が1株あたり3円の銘柄があった場合、25日の株価が200円なら、26日には197円までの下落は織り込んでおく必要があります。

もちろん日々の変動幅もそこに加わるので、26日の株価が197円になるというわけではありませんが、配当の権利を取ろうと考える場合に、基本的な仕組みを理解しておくことは大事です。

というわけで、NISAを利用して配当金を非課税で受け取るには、「NISAを利用して株式を買うこと」「権利付き最終売買日に保有していること」「配当金受取方法は比例配分方式を選択すること」という3つのポイントをおさえておきましょう。

参考 : NISAで配当金が非課税にならない!?受取方法の注意点

市場のほうは、ここ数日は円安ドル高が進み米ドルが105円台をつけるシーンもでてきています。それが株式市場の追い風となれば、今年は一巡してしまったNISA利用の熱も再燃しそうですね。長期的に市場に参加する姿勢の投資家がハッピーになれる相場がくるなら嬉しいものです。

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