新生銀行のNISAに関する調査はあまり参考にならない

新生銀行がNISAに関する調査をおこなった結果を公表しています。当然ながら新生銀行の商品・サービスをからめた内容となっていますが、1級FP(ファイナンシャル・プランナー)に対する調査というすこし変わった視点のものになっていました。

1級FP163名に聞く「NISA(少額投資非課税制度)実態調査」

今回の調査はインターネットで、2014年8月1日から4日間にかけておこなわれましたが、その対象は「顧客を持ち、NISAの内容を認知している1級ファイナンシャル・プランナー」に限られていました。回答者は163名とやや少ない印象です。

出典 : 1級ファイナンシャル・プランナー163名に聞く「NISA(少額投資非課税制度)実態調査」

FPというのは、個人を顧客として、その収入や支出、家族構成、資産などをもとに現在から将来にわたる資産設計についてのアドバイスをおこなう、いわば資産運用アドバイスのプロです。

FPには国家資格である「ファイナンシャル・プランニング技能士」と民間資格であるCFP、AFPがありますが、今回の調査対象は国家資格の最上級である1級を取得しているFPの中で、実際に顧客をもって活動している人のようです。

調査結果のサマリー

調査結果によれば、「1級FPが受ける資産運用の相談の中で、税制度や節税対策についての内容がもっとも多い」とのこと。ほかにもサマリーとして以下のようにまとめられています。

・ 1級FPがNISAによる運用で推奨する商品は1位「投資信託」2位「国内株式」
・ 顧客が望むNISAによる運用商品の1位も投資信託
・ 1級FPが期待する改善内容は「非課税枠の拡大」「制度の期限延長」
・ NISA口座開設で金融機関を選ぶポイントは「手数料等のコストが安いこと」
・ 顧客にすすめたい金融機関は銀行では新生銀行、証券では野村證券

1級FPがNISAを顧客にすすめた経験は78.5%

1級FPはよく受ける相談内容として、税制度や節税対策などをあげています。それにしては78.5%という数字は低いように感じます。高齢者かつ富裕層の場合、話の流れででてこないかぎり、NISAの話題にならないということがあるのかもしれません。

人気1位は「投資信託」で、投資スタンスは「低リスク・低リターン」

1級FPがNISAに向いていると考える商品、顧客が運用する際に選ぶ商品はともに「投資信託」であり、低リスク・低リターンの傾向がうかがえます。管理人もNISAによる運用では、投資信託が最適と考えています。

NISA口座を開設する金融機関選びのポイントは「充実商品」「コスト安」

1級FPが重視するNISA口座開設時のポイントは「取扱商品が充実していること」「投資商品の手数料等のコストが安いこと」とのことです。これはNISAによる運用を考えなくても同じ結果になるでしょう。選択肢は多いほうが良いし、コストは安いほうが良いです。

おすすめの金融機関は新生銀行と野村證券

投資に強い銀行

1級FPは、銀行の中では新生銀行をもっとも「投資に強い」と考えており、ある程度「NISAに強い」とも評価しているようです。ちなみに「投資に強い」証券会社は野村證券で、「NISAに強い」のは大和証券とのこと。

「投資に強い」「NISAに強い」というのは、一見わかるようでわからない、とても曖昧な表現です。取扱商品や手数料等のコスト、企業の印象などの総合的なイメージとしての評価だと考えられるので、個人的にはあまり参考にできない結果だと考えています。銀行と証券会社にわけるのも意味がわかりません。

実際、野村証券のサイトでは「ノーロード」でファンド検索すると結果は81件、新生銀行のサイトにいたってはノーロードにしぼってスクリーニングすることすらできませんが、ネット証券のSBI証券はサイトによると490本以上の取扱いがあります。さらにSBI証券では国内株式の売買手数料が0円であり、コストが非常に安いのがハッキリわかります。

もちろん、ノーロードファンド、株式の売買手数料だけで評価はできませんが、もっとも重視されるはずの投信の手数料が安い商品がそろっているSBI証券が、支持されない理由というのはわかりません。

NISA口座で新生銀行取扱いの国内籍公募株式投資信託を買うと、非課税枠を超える同時申込分の買付手数料も無料になる、「NISAプラス」というプログラムは魅力的です。しかし、対象商品は約120件のみ。SBI証券のノーロードファンドのほうが圧倒的に多いです。

1級FPとその顧客に対象をしぼることで、自社の商品・サービスをうまくすすめたいという思惑があったのかどうかはわかりませんが、やはり属性をしぼられすぎたきらいがあり、調査結果をとらえる外野としてはおもしろくない結果になったというほかありません。

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